差の検定の概要

差の検定をするときの大筋のフレームワークは決まっています。
対応表にまとめました。
表中、対応のないカテゴリを分けています。
対応のないカテゴリとして分類されている手法はあくまでも推奨であり、対応のない手法として分類されている検定を対応のあるデータへ適用することもできます。
ただし、その場合は帰無仮説が偽であるのにもかかわらずそれを真として棄却しない誤り(第二種の過誤)が起こりやすいとされています。

検定の分類

内容

平均の差

(パラメトリック検定)

分位数(中央値)の差

(ノンパラメトリック検定)

対応のある2群の比較

同一個体の2種類の観測値に差があるか

対応のあるT検定(Paired T-test)

ウィルコクソンの検定

(Wilcoxon signed-rank test)

対応のない2群の比較

独立した2群のデータに差があるか

ウェルチのT検定(Welch's t test=Welch-Aspin Test

マン・ホイットニーの検定

(=Wilcoxon rank sum test)

対応のある多群(3群以上)の比較(1要因)

要因によって生じる、多群のデータの代表値の違いを、同時に比較する

反復測定一元配置分散分析(One-way Repeated Measure ANOVA)

フリードマン検定(Friedman Test)

多重比較法

多重比較法

対応のない多群(3群以上)の比較(1要因)

1元配置分散分析(One-factor ANOVA= One-way ANOVA)

クラスカル・ワリス検定(Kruskal-Wallis test)

多重比較法

多重比較法

対応のある多群(3群以上)の比較(2要因)

2つの要因によって生じる、多群のデータの代表値の違いを、同時に比較検定する。

複数の要因が組み合わさった場合の影響(交互作用)も検討する。

繰り返しのない2元配置分散分析(Two- factor ANOVA with only one observation in each cell)

( - )

反復測定二元配置分散分析(Two-factor factorial ANOVA = Two-way factorial ANOVA)

( - )

多重比較法

多重比較法

対応のない多群(3群以上)の比較(2要因)

2元配置分散分析法(Two-factor factorial ANOVA = Two-way factorial ANOVA)

( - )

多重比較法

多重比較法

※ウィルコクソンの順位和検定(Wilcoxon rank sum test)とマン・ホイットニーの検定は解析の手順から導かれる結果が実質的に同じであるとされ、同じ手法として扱われています。

References
  • 対馬栄輝:医療系研究論文の読み方・まとめ方. 2010/5/13, 東京図書.

Visionary Imaging Services, Inc.